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【マニラ＝大木聖馬、比嘉清太】安倍首相は２７日午前、マニラのマラカニアン宮殿でフィリピンのアキノ大統領と会談し、同国の海上保安能力向上のため、政府開発援助（ＯＤＡ）を活用して巡視船１０隻をフィリピンに供与する考えを表明した。

　日本の首相の訪問は６年ぶり。フィリピンは、中国との間で南シナ海の領有権問題を抱えており、沿岸警備隊が十分な巡視活動を行うための巡視船の供与を日本に求めていた。安倍政権としてはフィリピンの巡視活動の態勢強化を後押しすることで、強引な海洋進出を図る中国をけん制する狙いがある。

　首相は会談後の記者発表で、民主主義国家との関係を強化する「価値観外交」を踏まえ、フィリピンについて「基本的価値、多くの戦略的利益を共有する戦略的パートナーだ」と強調した。